とうきょう
すくわくプログラム
探究・好奇心・主体的な学び ― 5つの領域+ICTで育む力
保育園における「すくわくプログラム」では、幼児期に学ばせたい基礎教育の5領域(未測量・位置表象・数・図形・言語)を設定し、専門講師による指導のもと、ICT活用も加えた探究活動を実践しました。厚生労働省の保育指針解説にも示される「遊びや生活の中で数量や図形、文字などに親しむ体験」を重ね、子どもの知的好奇心を伸ばすことを目標としています。
未測量とは、まだ単位で測っていない「大きさ・多さ・長さ・重さ」などの量を相対的に捉える学習領域です。実物の比較を通して量の概念を体験的に学び、数学の順序数(何番目の概念)や量の系列化の基礎を身につけます。
専門講師による毎回異なる内容の指導。4歳児から行うことで年長になった時の学びの土台づくりとなっています。
教材は専門講師が用意。ホワイトボード・マーカー、子どもたちが学びに集中できるような机の配置を設定しています。
- 水の量くらべ遊び 2つのコップに異なる量の水を入れ、子どもたちにどう比較するか考えてもらう。実際に水を別の容器へ移し替えながら「こちらが多い/少ない」という概念を体験。
- ボトル並べ・クイズ 6本のジュースボトルを多い順・少ない順に並べてもらい、「一番多いのはどれ?」「3番目に多いのは?」と質問。繰り返し行うことで並べ替えと順位付けの理解が深まる。
- 大きさのコップ積み 10段階の大きさ違いの円柱コップでタワーを作り、「このコップより大きいのは何個?」と数える。量の違いを見比べる遊びで数概念の前提を育む。
位置表象とは、ものの位置関係(前後・上下・左右)や視点の変化を理解する能力の学習領域です。「先生から見て子どもの右は、自分にとっては左になる」といった左右関係や、地図上での移動などを学びます。空間認識力や他者の視点を想像する力が育ち、図形学習や空間把握の基礎となります。
教材は専門講師が用意。ホワイトボード・マーカー、子どもたちが学びに集中できるような机の配置を設定しています。
- 反対側から見るゲーム 並んだ4枚の物の写真や絵の中から「反対側から見るとどれかな?」と選ばせるクイズ。正面から見たぬいぐるみと後ろ姿の絵を見比べ、正しく判断できるか試す。
- お地蔵さんゲーム 向かい合ったお地蔵さんの右手・左手にお饅頭を渡し、自分と向かい合っている人の右手(左手)が違うことに気づく活動。
- 宝さがし・方向指示遊び 「右に行って」「左の隅を調べて」などの言葉で園内を探検。友達と協力して「○○の後ろを見てごらん」と伝え合い、位置関係の言葉と動作が結びつく。
- マップ・迷路あそび 簡単な迷路や地図上のルートを利用し、地図視点での移動を考えることで立場を変えて空間を見る力を育てる。
「数」の領域では、ものを正しく数えることを出発点に、数詞の対応づけや量の比較・分割・合成などを通じて算数の基礎を学びます。数に興味を持たせることで、言語発達(数詞語彙)と論理力の両面が育まれます。
教材は専門講師が用意。ホワイトボード・マーカー、子どもたちが学びに集中できるような机の配置を設定しています。
- 手指操作で数える おはじき・積み木などを使って1対1で物を数えさせる。数詞を発語しながら並べることで、数の概念が身体的に理解される。
- 玉入れゲーム どちらがいくつ多いのか実際に体験しながら考えさせる。楽しく体を動かしながら、自然と数概念が身につく。
- マッチング・分類遊び 数字カードや点の書かれたカードを用いて、同じ枚数になるようにペアを作る。1対1対応の理解を深める。
- ごっこ遊びで対応付け レストランごっこや修理屋さんごっこをしながら、掛け算の基礎を学ぶ。普段の遊びの中でも発展できる内容となっている。
「図形」の領域では、身の回りの形を通して基本的な形の特徴を学びます。平面図形(円・三角・四角など)の見分けや描画、複数の図形の組み合わせ・分割遊びを行い、空間的な把握力(図形感覚)を高めます。構成力や観察力も育まれます。
教材は専門講師が用意。ホワイトボード・マーカー、子どもたちが学びに集中できるような机の配置を設定しています。
- 図形の名称 保育室や自宅にあるものを思い浮かべながら形探しをして、図形に親しむ。正式名称を知らない子も楽しく学べる。
- 形合わせパズル 積み木や型はめパズルで丸・三角・四角を組み合わせて形を作る。2つの半円を合わせて丸を作るなど、形の合成・分解の感覚を養う。
- 切り紙・コラージュ 折り紙や切り紙で図形切り抜きを行い、形がどう変わるかを体験。切り抜いた図形を貼り合わせて新たな形を作り、遊び感覚で合成を学ぶ。
「言語」の領域では、聞く・話す力を重視します。身の回りの出来事や物語を正確に聞き取り、自分の考えや気持ちを言葉で表現できるようにする学習で、「読む・書く」の基礎となります。語彙を増やし言葉遊びで表現力を伸ばします。
教材は専門講師が用意。ホワイトボード・マーカー、子どもたちが学びに集中できるような机の配置を設定しています。
- 言葉遊び・ゲーム しりとり、言葉ビンゴなどで語彙を楽しみながら増やす。遊びながら自然に言葉の意味や使い方を体得する。
- お話作り 4枚の絵カードを使って自分でお話を作る。時系列を考えたり、絵に描かれているキャラクターの気持ちになったりと、思考力・創造力を養う。
- 質問タイムや発表 「今朝食べたものは何?」と順番に答えさせたり、絵や写真を見て自由に話すコーナーを設ける。集団の前で発言する体験は自信を育み、コミュニケーション力を高める。
主体的な遊びと学びの充実
近年、社会全体でICT化が進み、子どもたちがデジタルに触れる機会も増えています。iPad等のICT機器を活用することで、写真・動画・音声など多様な表現活動が可能となり、子どもの興味関心を引き出しやすくなります。子ども自身が操作する経験を通して「考える・試す・工夫する」といった主体的な学びにつながり、プログラミング的思考の基礎づくりとしても有効です。
iPad 10台・iPadケース10個(落としても壊れないように)。落ち着いて活動できるように椅子に座って行いました。
- タブレットの適切な使い方の確認 使用時間の約束・目への配慮・姿勢などについて子どもと一緒に確認。保護者への情報提供も行い、家庭でも安全なICT利用ができるよう連携を図る。
- 基本操作の習得 電源の入切・タッチ操作・写真撮影・簡単なアプリの使用などを遊びの中で段階的に取り入れる。順番を守る・丁寧に扱うルールも伝え、ICT機器を安全に使用する態度を育てる。
- 絵を動かすプログラミング体験 子どもたちが紙に描いた絵をiPadで撮影スキャンし、アプリを活用して動きをつける。自分の描いた絵が画面上で動く体験を通して、驚きや喜びを感じながら表現活動を広げる。「どのように動かすか」「どの順番で動くか」を考える中で試行錯誤の経験を重ね、プログラミング的思考の基礎につなげる。

